四国肱川 皆農塾

夏の野菜 種の植え付け

一年で一番ワクワクする季節を迎えています。ナス、トマト、キュウリ、ピーマンなどの植え付け時期だからです。植え付けた苗木は水を与えなくては枯れてしまいます。しかし余り与えすぎても根が水を求めて伸びていかないので、貧弱な果菜類が出来上がってしまいます。子供の育て方も同じだと、つくづく野菜に教えられます。 余談ですが、冬の野菜類や麦などは地上の寒気に葉はなかなか伸びません。冬の寒さに負けているのかと思うと、地下ではどんどん根を伸ばし、春の暖かさを感じて一気に葉を伸ばし始めます。目に見えないところでエネルギーを蓄えているのです。


夏の葉野菜

夏は果菜の季節で葉物は極端に作りにくいものです。農薬や食品添加物、放射能、大気汚染などは人間の持つ免疫力を減少させますので、農薬を使う夏の葉野菜には注意が必要です。そこで、夏でも丈夫に育ち農薬を必要としない葉野菜を紹介します。

つるむらさき(種)
エンサイ(種、挿し木も可能)
紫蘇(種)
わかめ草(別名:雲南藤七、根分け)
ハンダマ(別名:水前寺草、金時草、指し枝)

初めて食べる野菜は好みに合いにくいものですが、これらの野菜は努力してでも好きになる必要がありそうです。

雲南藤七(わかめ草)

夏場の葉野菜を、農薬を使わずに作るのは難しい。葉野菜の種類を選んで作っているのは、エンサイ(空心采)、モロヘイヤ、つるむらさき、金時草(水前寺草)などで、これらの野菜は比較的農薬を使用しなくても作ることができる。とかく、農薬を使わずに作れる野菜というのはあまり消費者から歓迎されない傾向があって、これらの野菜もその難を免れない。時々、これらの野菜のひとつを大好きだという人がいて、その時の感激は生産者冥利に尽きるというものである。そのようなわけで、農薬を使わずに作れる夏の葉野菜はないかと常に虎視眈々としているわけである。

ある種苗会社のカタログから見つけた「雲南籐七」という野菜は、つる性でその葉を一枚一枚収穫して食するというもので、べらぼうに値段が高かったが二株取り寄せた。雲南という名前から中国から琉球に渡来し日本にやってきたと推測される。こういう改良されていない野菜は、意外に農薬を使わなくても作れるものである。寒さに弱いため冬は落ち葉などで覆いをしておけば、また翌年発芽して支柱に絡みながら生育していく。一年目は葉が小さく貧弱だが、二年目から大きな葉をつける。この葉野菜の食感はわかめのようで、のちに全国に普及するようになってから、カタログの名前も「わかめ草」と変わっていった。農薬を使わなくても作れる夏の葉野菜は、ぬめりのある野菜が多い。しかし、この雲南籐七は全くそのような癖がなく、たくさんの人に喜ばれている。みそ汁に入れて食べるとよいとか、三杯酢が美味しいとか、まずこの雲南籐七を毛嫌いする人はいない

つるむらさき

昔のつるむらさきはたしかに紫の色彩があったのだが、最近ではグリーンの鮮やかなもので、食べやすいように品種改良されてきた。それでもこの野菜の味には賛否両論ある。以前、不断草という野菜があって寒い冬でも切れる事がないことからこの名前がついた。しかし、その味が受け入れられず、いつしか姿を消してしまった。つるむらさきを不断草の二の舞にしたくないのは、夏の葉野菜がつくりにくく収穫の少ない時期に盛んに繁殖するからである。

私はたくさん収穫できる野菜にたまらなく愛着を覚える。その野菜が美味しいか、美味しくないかは、二の次だ。美味しくないと思うのは料理の仕方が間違っているからである。たくさん収穫できる野菜を何よりも大切に思うのは、食糧難の時代を常に想定しているからであり、そのことが片時も頭から離れない。

バターナッツ

サツマイモは17世紀初め頃、琉球(いまの沖縄県)に伝わり、その後薩摩に伝わったことから、本州では「薩摩芋」、あるいは中国の唐から伝わったことにより九州では「唐芋」と呼ばれることが多い。日本では蘭学者、儒学者である青木昆陽(1698-1769)がこのサツマイモの導入によって天明・天保の飢饉を救ったということから甘藷先生と呼ばれて親しまれた。当時の飢饉はいまのように灌水設備が整っていないことから雨不足によって起こる食糧難で、その点サツマイモは乾燥に強いことからその長所を生かされたものと思う。

ここに上げる「バターナッツ」は収量の多さが長所であり、将来天候による食糧不足でなく経済による食糧不足を来したとき、その実力を如何なく発揮するだろうと思われる。このカボチャはひょうたん形をしたイタリアのカボチャで、収量が多いことに加えてともかく日持ちがいい。年を越しても健在なのは表皮が固いためである。また、極めて肉質が柔らかく、ホクホク感を好むカボチャ好きには不満かもしれないが、柔らかいカボチャが好きな人は好評である。イタリアではスープ用として料理に使うそうであるが、私たちの会員から離乳食に最適だというご意見も頂いた。
この種子も最近では種苗店で見かけなくなったが自家採取が可能なのでいつまでも保存しておきたい種子のひとつである。

にんにく醤油

私の健康法は毎日烏骨鶏のたまごを2個、密封容器に熱湯を注いで半熟にし、にんにく醤油を少したらして食べることです。お陰様で人柄をほめられることはありませんが、体力と頭髪は人から羨ましがられます。 にんにく醤油の作り方は、皮をむいたにんにくを酢に一週間漬けてからその酢を捨てて醤油に漬け、その醤油を利用します。もちろん、にんにくの保存にもなるわけですから一石二鳥と言うわけです。 酢漬けの工程を省くと腐りますから要注意です。

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