四国肱川 皆農塾

たまごの黄身

たまごの黄身を濃くすることによって購買意欲を高めようと様々な工夫がなされています。パプリカやグルテン(小麦の中の色素)を使うのがいいのですが、非常に高価なため、たまごの価格を押し上げてしまいます。そこでキサントフイルなどの化学添加物を飼料の中に入れて食べさせることによって黄身の色を濃いものとします。しかし、この添加物を入れすぎると段々黄色からオレンジ色の強い黄身になります。 たまごの黄身は餌の色が転化するので、米などを飼料とすると一層黄身の色は薄いものになります。皆農塾のたまごの黄身が薄いのは、飼料に黄身を濃くするための薬剤を使っていないためです。

たまごの色

よく「たまごの色によってたまごの栄養価が違うのか」という質問を受けますが、栄養価の違いは全くありません。鶏種の違いによるものです。 どちらかというと白色レグホン系は神経質で、ロードアイランド系はおとなしいという性格を持っていて、ケージ飼いには白系、平飼い(地面飼い)には赤系という区別がなされてきました。ケージ飼いでは身動きの取れない状態で飼育されるので多少神経質でも構わないのですが、平飼いでは自由に飛び回るので神経質な鶏だと収拾がつかないことになります。 最近では赤玉系のほうが高級感があるためか、ケージでもロードアイランド系の鶏が飼われるようになりスーパーマーケットに並べられるようになりました。
問題はたまごの色ではなく飼料でしょう。たくさんの鶏を飼うことによって病気の発生が抑えられず、予防として飼料の中に抗生物質を加えることがあります。それが人間の体に移行して、私たちが病気をしたとき抗生物質が効きにくくなるという懸念があります。

たまごのコレステロール

ほとんどの人は、たまごを毎日食べてもコレステロール値は上がりません。医師に止められている人を除いては、高コレステロール血症の人でもたまご1個程度なら毎日食べても問題ないと考えられています。(NHK ためしてガッテン2010~2011 vol.9 冬より抜粋)

旧ソビエトの医学者が動物実験によってたまごのコルステロール値の異常な高さを発表したのをきっかけに、たまごは敬遠されるようになりました。それまでのバランスのとれた優秀な健康食品というイメージが、この発表によって地に落ちたわけです。しかし、その後の検証で実験に使った動物はウサギだったことから、草食動物、いわゆる動物性たんぱく質を食べない動物を対象にしたことに異論が出始めました。NHKでは再三にわたって日に2~3個食べてもコレステロール値はかわらなかったと番組で報道していましたが、なかなかこの風評は払拭できないようです。

たまごのカラザ

たまごの持つコレステロールは善玉です。故に、昔からたまごは病人や年寄りが食べる貴重な食品だったわけですが、もうひとつ貴重な物質がこのたまごの中に入っています。それはカラザです。カラザというのはたまごの中の黄身が移動しないように上下から支える白いひも状のもので、これが病気に対する抵抗力を強める働きのある物質を多く含有していて、決して捨ててはならないものです。また、たまごの中の血液は生理現象であって何ら害になるものではありません。

初たまご

鶏はヒヨコから育成期を6ヶ月経てたまごを産み始めます。鶏を初めて飼った時には、この瞬間が一番うれしいものです。エネルギーをために溜めて初産を迎えるわけですが、そのたまごの貴重さを現して「初たまごは中気の薬」などと言われてきました。中気というのは中風のことです。本当に中気に効くかどうかは疑わしいものですが、それくらい効用が高いということでしょう。このたまごが美味しいのは初めて産んだという感激だけでなく、たまごの中の黄身の割合が多いためです。従ってたまごの黄身だけを食べれば美味しいこと疑いなしですが、それでは栄養のバランスを欠きます。たまごは栄養バランスのよい食品ですので、丸ごと食べることをお勧めします。しかし、マヨネーズなどは黄身だけ使った加工品で捨てがたい嗜好品です。家庭でマヨネーズをつくり、白身をまたほかの形で摂取するというのもひとつの方法です。

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